コドモン Product Team Blog

株式会社コドモンの開発チームで運営しているブログです。エンジニアやPdMメンバーが、プロダクトや技術やチームについて発信します!

部署を横断した優先度判断の合意形成のつまづきと学び

こちらはコドモン Advent Calendar 2024の11日目の記事です🎅🎄

qiita.com

コドモンで写真販売・共有領域のプロダクトマネージャーをしている木村です。

壊れていた家のお風呂が直り、お気に入りの入浴剤を入れて毎日長風呂をしてしまう今日この頃です。

コドモンのAdvent Calender 11日目の担当として「部署横断の開発優先度を合意形成する、つまづきと学び」についてお話しします!

こんな方に読んでいただけたら幸いです!

  • チームを横断した案件の優先順位に悩んでいる方
  • 施策の優先順位のコストが大きいと感じている方
  • コドモンのPdMに興味がある方
目次

様々なユースケースに対応するための「権限管理の最適化の要件策定」プロジェクトを立ち上げ!

コドモンは、様々な役割・役職のユーザーの方々にお使いいただいています。保育士・児童支援員など現場の先生方はもちろん、事務の方や複数施設を管轄する法人の本部の方など、ユースケースも利用機能も様々です。

このような利用を前提とし、今後も多くの方々に普及していくにあたり、「コドモンの権限管理」をより良いものにしていくことが重要なテーマの1つです。

既存のエンタープライズ顧客からはもちろん、セールスを担当する普及推進部から、「権限管理がアップデートされれば、より売りやすくなる」と強い要望をもらっていました。

しかしながら、権限という影響範囲が広大な概念・機能であり、かつ「どの要求まで満たせば買っていただける・売りやすい」状態になるのか?の解がないため、開発規模を見積もれず、重要性は理解しているものの、なかなか開発ロードマップに組み込め状態。

そこで、「要件を策定し見積もりを行い、いつでも計画に組み込める状態にする」までをゴールとし、要求の調査・要件の策定を行うプロジェクトを立ち上げ、私がPMを担当しました。

キックオフを実施し、ゴールの認識合わせ・自然と連携できる流れに

PJの立ち上げ段階で、ゴールやスケジュールをまとめた後、カスタマーサクセス・普及推進部の各Mgrに声をかけ、キックオフMTGを行いました。

キックオフでは、「PJのゴール・スケジュール」および「各部署・チームにお願いしたいこと」を重点的に伝え、チームメンバーの稼働を一定時間割いてもらいたい旨を事前に伝えています。

キックオフドキュメントに記載のスケジュール

これまで、開発部内のPJチームのみでスタートを切ってしまい、ステークホルダーへの連携が遅れたケースなどもあったのですが

PJの初期にドキュメントをまとめ、主要な関係者全員を呼びキックオフを行ったことで、早期から納得感を得られやすくなりました。 また、PJが動いてることの社内認知も進みました。

結果として、商談の中で関連する議論があればシェアしてもらえたりと、ある程度初期から自然と協力してもらえる流れに。

ユーザーヒアリングや各種調査を行いながら、同時にエンジニアメンバーに要求を伝え要件を一緒に作るプロセスも早期から作ることができ、「要件の策定」というゴール自体は当初のスケジュール通りに終わらせることができました。

「優先順位をいつ・どのように決めるのか」の前提・認識が揃っていなかった

一方で、要件が定まり見積もりが出せた後の合意形成プロセスで、合意形成に予想以上に時間がかかってしまいました。

今回の「権限管理の最適化」は「この案件自体は間違いなく施設(ユーザーアカウント)獲得のために重要だが、定量的な獲得インパクトを算出できない」状態だったため、「実際にどのくらい重要なのか」かが分からず、獲得インパクトのある他の開発案件と比較することができませんでした。

開発チームは「事業上の優先度が明確化したタイミングでいつでも計画に入れ込めるように見積もりを行って、ROI試算ができるようにする」のがゴールだったのに対し

普及推進などビジネスチームは「直近で開発をしてくれる」ことを期待していたことがプロジェクト終盤に判明。

常に顧客と接し営業を行っている普及推進部からすれば、「権限管理の最適化」は間違いなく重要、という肌感覚を持てていたのに対し

開発側は他の開発案件と横断的に比較し優先度を決めていく必要があるため、定量的な施設獲得インパクトがなければ判断できませんでした。

PJの振り返りをmiroで行った際の一部

今振り返れば、この前提をプロジェクトの初期に揃えておく必要がありました。

「要件を策定する」というゴールだけでなく、「実際に開発優先度を判断する基準・流れ」についても丁寧に話し合い合意すべきだったと反省しました。

事業単位で優先順位の基準を明確化・案件を優先度順に一覧に

これらの反省を踏まえ、開発チームとビジネスチームで共通認識が持てるよう、施設獲得に必要な開発案件の優先順位が一覧でわかるシートを作成し、事業全体で以下の内容を統一

優先度の基準は何か 基準ごとにスコアをどのくらい付けるか 最終的なスコア・優先順位はどうなっているか

案件優先度の管理シート。左側には実際の案件概要が記載されている

現在は、重要で規模の大きい開発案件を事業内で横断して優先度判断するための部署が立ち上がっており、開発・CS・普及推進など所属部署も異なるメンバーが同時に議論できる体制ができています。

こういった部署の立ち上げも踏まえて、改めて「優先順位の基準」と「どのように開発案件の着手が意思決定されるのか」の認識を事業全体で揃えていくことの重要性を学んだプロジェクトでした。