コドモン Product Team Blog

株式会社コドモンの開発チームで運営しているブログです。エンジニアやPdMメンバーが、プロダクトや技術やチームについて発信します!

機能リプレイスのUXリサーチ・要求定義プロセス

※ こちらは2021年10月に書かれたコドモン開発チームのnoteの記事を一部加筆・修正したものです。

こんにちは!コドモンプロダクト開発部、プロダクトマネージャーの彦坂です。 今日は、コドモン開発チームのリプレイスレポートシリーズとして、以前リリースしたリプレイス第一弾プロジェクトであるシフト管理機能のUXリサーチ・要求定義ステップについてまとめます📝

どのように進めたか

社内調査

■前提
コドモンのリプレイスを始めるにあたり、数多くの機能から選んだのはシフト管理を支援する機能でした。これはビジネス要求によるところが大きく、「保育現場のシフト作成は大変だが、リプレイス前の弊社プロダクトではそのペインを広く解消することはできていない」ということが社内の共通認識として既にあったことが理由です。


■社内にある情報から仮説を立てる
リプレイス対象が決まった時点で、チームのシフト業務への理解は「園長先生が保育士の配置基準と公平さを実現するため、いろいろな要素を考慮しながらつくる、とても大変な作業」ぐらいのものでした。 業務の解像度を高めるためにユーザーインタビューに進みたいところですが、いきなり無策で話を聞きにいっても得られるものは少ないため、まずは社内で情報を集めることから始めました。

やったことは次の2つです。

・各部署の古株メンバーへのインタビュー
・社内の元保育士メンバーへのインタビュー


各部署インタビューではそれぞれが知っている情報を一通り聞きます。部署ごとに触れているユーザーの性質が異なるため、インタビュー内容の中心も自然と変わってきます。セールスからは商談時に出てくる「コドモンがない世界の困りごと」を、CSからは旧シフト作成機能の利用中の「コドモンのシフト管理機能と実業務の接点での困りごと」を、開発からは「これまで描いてきたシフト管理機能の将来像」を中心に教わりました。


共通する部分は多くありつつ、どこまでが普遍性の高い情報で、どこからはエッジケースや憶測に影響された情報なのか、そして真に取り組むべきイシューは何なのか、これはこの時点でまだわかりません。


元保育士メンバーへのインタビューでは、よりユーザーインタビューに近いものとして、意見ではなく事実を尋ねていきます。この後のユーザーインタビューに向けて揃えておきたい情報のうち、欠けている部分を確認する形としました。


ここまでで、業務の大枠と課題群が見えてきます。課題のうち大きな部分はこの辺りではないか?という課題の仮説と、それに対してこんな方向の解決策を提供するのがよいのでは?という解決策の仮説が立ち始めます。


▼開発の古株メンバーへのインタビューログ

ユーザーインタビュー・要求定義


■シフト業務の実態についてインタビュー
業務の解像度をもっと上げて仮説を磨いていくため、ユーザーインタビューに進みます。GoogleMeetを使って1時間ほど導入施設の先生方からお話を伺います。 シフトを組む前後も含めた1か月の業務を根掘り葉掘り、特にシフト作成の過程で考えていることについては深く詳しく伺いました。また、そのとき各施設で作って運用しているシフト表や作成用のExcelも拝見し、先生方の工夫と施設ごとの多様性、その中にある普遍性が少しずつ見えてきます。


■業務の整理
ユーザーインタビューの内容をもとに、シフト関連の業務全体についてAsIsのカスタマージャーニーマップを作成します。メンバー全員が全てのユーザーインタビューに参加しているわけではないので、このカスタマージャーニーマップを参照しながら業務の流れや先生方の関心ごとを整理することで、全員で業務理解を深めます。 このタイミングで「ここは関連業務だが一旦はスコープから外す」なども判断し、業務のどこからどこまでの課題を今回解決しにいくかも明確にします。


▼業務のカスタマージャーニーマップ


■要求定義
業務整理の内容を踏まえ、今ある課題に対してどのように解消するかの方向性を議論しながら、要求として定義していきます。

UXリサーチ・要求定義のステップを振り返って

■現場の声を聞いて分かること
事前に立てていた仮説を検証できたり、逆に私たちの想定と現場の業務にズレがあることを知れたり、「ユーザーにとって価値あるものをつくる」ためには欠かせないステップだと、エンジニア含め全員が再確認しました。


また「この機能はあったほうがいいのでは」と社内で想定されていた機能について「相当緻密に用意したものでないと、逆に現場のためにならない」ということを現場の声から確信できたのも、今回のリサーチの中で印象深かったです。


■遠隔地のユーザーとの心理的なつながり
これまでのユーザーインタビューの対象は実際に足を運べる範囲の施設の方々でしたが、今回コロナ禍の状況もありリモートで様々な地域の先生方と話せたのはとても良かったです。こども施設が抱える課題の地域差も実感でき、今回のインタビューを経て自分の中のユーザー像がより多様化しました。



シフト機能のUXリサーチ・ドメインモデリングの詳細については、こちらもご覧ください。 cocoda.design



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