こちらの記事はコドモン Advent Calendar 2022の20日目の記事です。
こんにちは、コーポレートエンジニアチームの浅野です。
今回の記事は、チームを改善するために1年間取り組んできた活動で気をつけたことを紹介します。 自分のチームを改善したい!と考えている方の気づきになると嬉しいです。
課題
私たちのチームは社内業務の省力化のための社内システムを開発しています。私がチームに参画した1年前は、開発の改善に取り組めていない状態でした。 それとは対照的にプロダクトの開発は自動テストや本番リリースの自動化などを採用し、さらに改善を進めていました。
プロダクトの開発チームと比べると人数が少なく改善の速度が遅くなってしまうのはやむをえないものの、改善が進められていない状態は大変マズいと感じました。
計画
この課題を解決するために、チームを変えていくためのファーストペンギン*1作戦を立てました。
チームの改善に挑戦できるメンバーをファーストペンギンとして、チーム全員が何らかの分野のファーストペンギンになった状態をゴールと定めました。
この作戦は以下のステップで進めていきました。
- 自分がファーストペンギンになる
- ファーストペンギンになれる道を示す
- ファーストペンギンと伴走する
チームを変えると言っても、自分の意思で変えられるのは自分の行動だけなので、すべてのステップで「自分ができること」にフォーカスを当てて進めていきます。
実践
自分がファーストペンギンになる
まず自分自身がファーストペンギンになるために、チームが抱えている課題を自分で解決していきます。
ここで気をつけたことは以下の2つです。
1つ目は、チームにわかりやすいメリットをもたらすことです。今までのやり方を変えたら自分たちが注力すべきことに力を割けるようになった成功体験を通じて、チャレンジするモチベーションを高めます。 2つ目は、仲間の力を借りられることをチームのみんなが認識することです。これによって未知の領域へのチャレンジのハードルを下げます。
実際の取り組みはこんな感じでした。
- 取り組んだこと = 本番環境コード更新時の手作業を段階的に機械実行に置き換えすることに挑戦
- わかりやすいメリット = 細心の注意を払って行っていた手作業から解放される
- 仲間の力を借りられる = 手作業の後半部分を機械実行するところで詰まっていて、この辺りはプロダクト側で○○さんが実現していたので教わってきます とチームに宣言して教わりにいく
ファーストペンギンになれる道を示す
こうしてファーストペンギンになる心のハードルを下げたら、次のファーストペンギンが通る道を作って誘導します。
作った道に誘導するには、相手が「確かにそれできるといいですね!」「それなら自分でもできそうです!」と思える情報を提供します。
実際にはメンバーとこんな会話をして、その気にさせていました。
本番環境コード更新で残っているこの手作業も機械実行に置き換えたら、本番環境コード更新は1クリックで完結しますね。以前に機械実行に置き換えた部分と同じようにやればできるはずなんで、やってみません?
ここでメンバーから「やってみます」の言葉を引き出せたら、次のステップに進みます。
ファーストペンギンと伴走する
最後は、道を歩み始めた新たなファーストペンギンが目標を達成するまでの道のりを一緒に走りきりましょう。
ここでは油断せずに、手が止まってしまっていそうなら声をかけ、一緒に作業をして、目標を達成させます。 目標を達成したら、盛大にお祝いします。「達成してくれたことがチームの役に立つよ、ありがとう」の気持ちは言葉にしないと伝わらないので、大げさなくらいお祝いします。
これを繰り返してチームの全員が当たり前のように未知の領域に踏み込んで、チームの改善のためのアクションを取れるようになったらこの作戦は成功です。
結果
開始から1年が経過した現在のチームを見ると、この作戦は大成功でした。 ICTコドモン開発が採用していた自動テスト・自動デプロイなどを自分たちでできるようにし、今ではチームを改善するためのチャレンジが当たり前のチームになりました。 あるメンバーはプロダクトデザインチームとの仕事をやりやすくするためにStorybookの導入にチャレンジし、またあるメンバーはチームの見積もり精度を高めるためにより効果的なストーリーポイントの見積もり・記録方法を模索し、1年前にはまるで想像できなかったことに取り組んでいます。
まとめ
チームを改善するために1年間取り組んだファーストペンギン作戦を紹介しました。
- 自分がファーストペンギンになる
- ファーストペンギンになれる道を示す
- ファーストペンギンと伴走する
チームみんなの行動を変えるために自分ができることをなんでもやる、と考えて立てた作戦です。 ぜひ試してみてください。