コドモン Product Team Blog

株式会社コドモンの開発チームで運営しているブログです。エンジニアやPdMメンバーが、プロダクトや技術やチームについて発信します!

10人チームの文化を作る、BtoBプロダクトの目標設定で意識したこと

こちらは、コドモンAdvent Calendar 2022の4日目の記事です🧑‍🎄

qiita.com


こんにちは!コドモンでプロダクトマネージャー(PdM)をしています、木村です。
週2くらいでバスケをやっていて、気づいたら身体のあちこちに小さな怪我と筋肉痛が溜まっている今日この頃です🏀

今回は、コドモン開発チームの中でもっとも人数の多い、10人のメンバーがいるベースチーム(※)で目標を設定し、チームへ浸透させていく中で意識したことを振り返ってみます。

※ベースチームでは、コドモンの基本機能のほとんどと、オプション機能の中でもユーザー数の多い機能を担当しており、私含め2名のPdMが在籍しています。

目標設定時に抱えていた課題

私が所属するチームでは、10人と人数が多く、2人のPdMがドメインの異なるそれぞれの担当機能を持っており、以下のような課題が存在していました。

  • 人数が多く、それぞれの視点も異なるため、誰かが意見を出してもリアクションが起こりづらく、アウトプットがまとまらない
  • 様々な課題に向き合っている機能を担当しており、一言でありたい姿を表現することが難しい
  • BtoBのSaaS形式のプロダクトであり、ビジネス部門のご案内やコンテンツ発信なども含めて最終的に指標が動くまでの変数が多く、プロダクトチーム単体でアウトカムベースの目標を立てづらい

それぞれの課題への対処

上記の課題に対して、それぞれ以下のように取り組んでいきました。

人数が多く議論が活発になりきらず、アウトプットがまとまらない

チームが結成してすぐだったこと、また入社して間もないメンバーも複数いたことから、10人で同じタイミングで0から考えるのではなく、人数を絞ってたたき台を作ることにしました。私を含めた2名のPdMと、1名のEMで叩きを考えて他のメンバーに提案し、そこからアップデートをしていく形にしました。

ビジネスサイドの状況や技術的負債の状況など情報を多く持っており、ありたい姿を俯瞰的な視点で設定でき、議論を円滑に行えるメンバーの最小単位が、この3名だったためです。

それぞれの担当機能の課題を共有し合い、観点の抜け漏れを防ぎながらありたい姿と指標をまとめ、チームに共有したことでスムーズな議論を行うことができました。

様々な課題に向き合っている機能を担当しており、一言でありたい姿を表現することが難しい

担当機能の課題からボトムアップに考えるのではなく、一段上のコドモンとしての目標・戦略からブレイクダウンして考えました。

2022年度の全社目標として
ありたい姿に「保育業界に対してコドモンの提供価値を最大化する」
指標の1つに「導入数の目標と継続率の維持」
がそれぞれ掲げられています。


プロダクトの普及を進め、多くの子ども施設・様々なユーザーにご利用いただきながら、継続率も落とさないために、特に課題となっていた「オンボーディング」期間中の体験改善および、既存ユーザーの利用数や利用頻度が高い、使いづらさが残っている機能に絞り改善の方向性を定めていくことにしました。

指標が動くまでの変数が多く、プロダクトチーム単体でアウトカムベースの目標を立てにくい

BtoBのプロダクトであることに加え、担当機能が多く、一貫した特定の体験というよりいくつかの機能の中に優先度の高い課題がありました。

そこで、「〜をリリースする」のように一定のアウトプットベースの目標は許容しつつも、以下の点を意識し、Issue単位で可能であればアウトカムを設定しました。

まず、UXが最適化されていないことでCSへの問い合わせにつながってしまっているものは、「問い合わせを〇〇%削減」のように、ビジネス部門が対応してくれており定量化可能なものをアウトカムとして設定しました。

また、それ以外のIssueについても、リリースした機能がちゃんと使われているか?その機能に関連する機能の利用率は増えているか?といった定量指標から
実際にどのように使われているのか?の定性指標をインタビューで確認するなど、「出して終わり」にならない意識をチームで徹底していきました。

設定した目標

以上の課題に向き合いながら、「複数の箇所で優先度の高い課題が存在していた」ことを踏まえ、現時点ではそれらを包括できるようにあえて抽象度の高い目標を設定することを意識しました。

また、アウトカムを設定しづらい状況の中でも、ユーザーの課題が解決され、業務やその中でのユーザーの思考・感情が変化していくことをイメージできるような要素を加えることも意識しました。

結果として、生まれたのが以下のありたい姿です。

「コドモン導入してよかったね」な瞬間を1つでも多く生む

このありたい姿に対して、アウトカムを検討する際に考慮した要素を取り入れて、定量的な指標を設定していきました。

言葉は文化の最小単位

チームの文化を作っていく

会社の目指す方向性と一致しつつ、ユーザーの声が聞こえてくるような目標を立てることができ、目標としていくつかの課題を残しつつもチームメンバーが日々納得感を持ち目標を意識しながら機能の開発に向き合えているように感じます。

実際に、「コドモン導入してよかったね」な瞬間 というフレーズが、チーム内でもよく交わされるようになりました。

チームで使う言葉は、チームの文化の最小単位です。今後も、チーム全員が自分たちごととして信じきれるようなありたい姿を表現し、達成していきたいと思っています。

今後の挑戦

この目標を設定したことで、チームの目指す方向性が以前よりも明確になり、チームの文化が生まれ始めた一方で、目標としてはまだまだ課題があると思っています。

「コドモン導入してよかったね」な瞬間 という目標は、例えば3年後も同じことが言えそうな目標であり、「今ここ」の目標設定のためには、もう一段の具体性を上げる必要があります。

今後、チームの分割や開発体制の変化・負債の返済など、状況が変化した際には、「〇〇機能の〜〜の体験をより良くする」など、特定の箇所に絞って目標を設定していくなど、改善の余地があります。

また、さらにその先の未来では、CSチームとタッグを組み、共通の目標を設定し部署横断で追いかけることにも挑戦していきたいです。

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