コドモン Product Team Blog

株式会社コドモンの開発チームで運営しているブログです。エンジニアやPdMメンバーが、プロダクトや技術やチームについて発信します!

不確実な状況でPdMが勇気を持って決めるために

PdMは、不確実な状況でも意思決定して「進める」必要があることが多いですよね。前例のない解きがいのある課題に向き合えているからこそ、直面する不確実性も高くなってきます。

しかし、私自身「前例がないので不安」になり、いつまでも悩んでしまったり、初手から「正しさ重視の意思決定」をしてしまうことがあります。

判断の軸として「不確実性」しか軸を持てていないと、「不確実性をいかに下げるか?」という問いに向き合わざるを得なくなります。

不確実性の中には、情報をいくら集めてもこれ以上確実性が上がらないものや、調査のコストが得られるリターンに見合わないケースも多いです。

そのような時、もう一つの判断軸として「不可逆性」を自分の中に持っておけると、勇気を出して決められることが多かったため、自戒も込めて整理してみます。

判断と決断の違い

日々様々な改善要望や定性調査・KPIのダッシュボードなどを眺めるPdMの元には、判断の後押しとなる情報が大量に集まってきます。そのため、私自身も「情報を正確に集めてから決める」ことを重視しがちです。

しかし、「情報を集めても不確実性が小さくならない(=情報集めるROIが低い)」ケースにおいては、正確性ではなく速度を上げることを意識しています。

このように、不確実性の度合いによって意思決定の性質が変わる以上、自分が取り扱っている意思決定のタイプを意識しておきたいと思っています。

情報を集めれば誰でも行える意思決定は「判断」で、情報が不足していても行う必要のある意思決定が「決断」であり、今自分はどちらの意思決定を扱っているのかに自覚的でありたいです。

不可逆性を下げられれば、「決断」ができる

不確実性が下げられない状況で、勇気を持って「決める」ためには、「失敗しても痛手が少なく後戻りができる状況」=不可逆性が低い状態を作りたいです。

後戻りができる状況なら、「やってみて確かめよう!」で進められます。

例えば

  • スコープを絞って小さくリリースしたり
  • PJチームを組成して社内で小さく始めてみたり
  • ベータ版で対象ユーザーを絞って提供してみる

といった、スコープや影響範囲を絞り、より少ないコストで速く検証できる方法を考えたいです。

「速くやる」は検証の設計とセットで

「やってみないと分からないのでGo!」という判断をする際には、必ず「検証の設計」を事前にするよう、意識しています。 「やってみて判断する」というのはいわば、事前の情報収集ではなく実験によって事後的に情報を収集する意思決定です。

検証の設計ができていないと、決断から学びが得られずに、コストだけがかかってしまいます(スコープを絞っても、実施している以上コストは0ではありません)。

そのためには

  • 成功条件は何か?
  • 何の指標で、どう検証するのか?
  • その指標は本当に計測可能か?

を事前に明らかにしておくことが重要です。 特に、計測指標が決まっていないと、結果を事後に恣意的に解釈してしまったり、指標は正しくても計測できない状態だと学びが得られません。

私自身、検証の設計が甘く「やったは良いが仮説を検証できなかった」ことがあり、決断の際に特に意識しているポイントです。

検証が事前に設計されていれば、1つの施策の学びが次の不確実性を減らしてくれるはずなので、気を抜かずにやっていきたいです。

失敗できる状態で、勇気を持って決めていく

最後になりますが、不確実な状況での意思決定は「度胸の問題」ではなく、失敗できる状況と検証の準備をした上で安心して速く進めることなのかなと思います。

もちろん、私自身、毎回の意思決定は怖いですが何度も経験するうちに勇気が出るようになってくるのかなと思います。

不確実な意思決定に向き合うPdMの方々の参考になれば幸いです。